2011年10月29日

彼の女装と僕の女装

彼の女装と僕の女装

18禁です。

僕は女の子に興味がわくようになってから、ズボンの中が大きくなるので困っていた。

だから一番の親友に聞いてみた。彼はどうすればいいか教えてくれた。女装した姿で……

小さい頃に一度だけ見た彼の女装。その時キスをした。あれが僕の初恋だった。

今ではただの親友だ。恋愛感情は無い。彼は違った。僕のことがずっと好きだった。

彼に告白されたとき、僕は気持ち悪いと思った。男同士の恋愛なんて考えられない。僕は彼を拒絶した。

それが過ちだった。取り返しがつかなかった。彼と僕の恋と欲情は、果てしなく歪んでいった。

男の子二人が裸や女装でエッチする官能小説です。

恋がこじれてドロドロしています。

性知識のまるで無い男の子に、最初から最後まで教えてしまいます。

挿絵はありませんのでどこでも安心して読めます。

PDF 184p

この作品は原作利用権付です。

漫画、小説、ゲーム、動画などの原作として使えます。

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2011年10月23日

七七四十八不思議

七七四十八不思議

この作品は「人生テレビ 原作マガジン3」に収録されています。


人生テレビ 原作マガジン3


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人生テレビ 原作マガジン3

by 二角レンチ
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 学校の七不思議。七つの学校を集めたら四十九不思議。

 でもなぜかひとつ足りない。その一つが現実となり、人を襲う。

 七七四十八不思議(しちしちしじゅうはちふしぎ)

 怪談の一種として語り継がれている。

 学校の七不思議は怪談の定番だ。どの学校でも七つの怪談を集めて学校の七不思議と称している。

 でも実際に見た者はいない。どの七不思議も、ひとつひとつ確認していったらどれも現実に起こることはない。

 それは怪談が作り話だからだ。

 どの学校でも似たような怪談があるのは、よそを真似て自分の学校にも怪談があると噂するからだ。

 ようするに、怪談をでっちあげて話のネタにしているだけだ。

 これで楽しめるのは小学生ぐらいだ。怖がらない子供も大勢いる。

 七不思議を語るだけではぜんぜん怖くない。怖くないとおもしろくない。

 どうにかして、語るのが怖くて楽しめるようにならないか。肝試しが怖がれるようにできないか。

 そこで考え出されたのが七七四十八不思議だ。

 七つの学校の怪談を、同じ時刻に同時に数えていく。

 その中の一つだけが現実化して人を襲う。怪異を現実のものとする儀式を考え出した。

 誰が考えたのかは知らない。でもいつからか、みんな噂するようになった。

 七不思議を順番に確認していく。もしすべてを確認できたなら助かったことになる。

 もし確認できないものがあれば、それは現実化して息を潜め、自分たちをつけ狙っているということになる。

 肝試しとして十分楽しめる。

 もし自分たちが無事でも、どこかよその学校では現実に犠牲者が出ているかもしれない。

 七不思議を全部確認しても全部うそっぱちとはかぎらない。どこかで現実化しているかもしれない。次は自分の学校で現実化するかもしれない。

 これは七不思議を肝試しとして楽しめるようにしたものだ。

 七つすべてを確認しても、よその学校では現実化したかもしれない。つまり自分たちの学校の七不思議が全部うそだったのではなく、たまたま助かっただけということになる。

 全部うそだと確認して終わるのと、たまたま助かったのとではまるで違う。

 次に肝試しに挑戦する者は、他の誰が七つすべてを確認していてもなお現実化する恐怖を味わえる。

 肝試しは恐怖がないとつまらない。

 かといって、本当に危険なことはしたくない。

 七つの学校のうち一つだけが犠牲となる。

 他の六つの学校は安全だ。

 確率七分の一。スリルを味わい、さらに安全でいられるちょうどいい確率だ。

 安全に、恐怖を味わえる。誰がいくら確かめても恐怖は無くならない。

 肝試しを楽しむのに、とても都合のいい儀式だった。

 都合がいいということは、誰かが都合よく考えたことになる。だから信憑性はない。

 同じ時刻に同時に七つの学校が、七不思議で肝試しをする。そうそうあることではない。

 自分たちが無事だったということは、よその誰かが犠牲になったということだ。

 よその学校だから確認しようがない。だから気がとがめない。

 他人に犠牲を押しつけて、自分たちはスリルだけを味わう。そのことに後ろめたさを感じなくて済む。

 とても都合のいいシステムだった。

 一昔前までは。

 これだけネットと携帯が発達した時代だ。当然他の学校の人ともネットで知り合うことができる。

 七七四十八不思議を実際に確認しながら行おうという動きが起こった。

 七つの学校の人間が、互いに携帯で連絡しあいながら七不思議を同時に確認していく。

 ひとつ確認するごとに携帯のカメラで写真を撮り、他の全員に送信する。このとき自分の携帯にも送っておく。

 毎回七つの学校すべてが送られてきたら全員無事。

 もし送られてこない学校があれば、そこで七不思議が現実化したことになる。

 当然無事では済まない。七不思議ではひどい目にあわされたあと殺されてしまうのがオチだ。

 翌日、自分が送信した分も含め四十九通のメールに添付された画像を学校の友達に見せて楽しむ。

 四十九枚の何の変哲もない写真。しかし夜の学校の怖い雰囲気が出ていて楽しめる。

 心霊写真でも混じっていないか探すのも楽しい。

 実際に七つの学校で連絡しあって行った例はたくさんある。

 どこも七不思議が現実化したことはない。もちろんうわさでは実際に起こったというのも聞くが、あくまでデマにしかすぎない。

 ただの肝試しよりもよほど楽しめる。というよりこうでもしないと怖くもなんともない。

 学校の肝試しは七七四十八不思議で行う。それが最近のはやりだった。

 その日の夜、俺はつきあっている彼女と一緒に学校に忍び込んだ。

 学校のセキュリティは甘い。監視カメラもないし、窓の鍵を全部確認するわけでもない。

 いつも見回りの先生が確認していない窓がある。そこから忍び込めることをみんな知っている。

 宿直の先生はいない。うちの学校ではいちいち泊まり込んだりしない。

 この学校は無人なのだ。ここにいるのは俺と彼女だけだった。

 七七四十八不思議は時間がかかる。だから見物だけの人はわざわざ来ない。翌日学校で話を聞けば済む。

 この儀式は時間が決められている。夜中の零時から開始する。

 三十分に一つ、七不思議を確認する。三十分に二つ以上確認してはいけない。一つも確認できなかったらいけない。

 三十分ごとに一つ確認すると、全部確認し終わると朝の三時半になる。

 そこで終了。助かったことになる。

 もしも七不思議が現実化したら殺される。

 ただし朝の四時まで逃げきれば助かる。逃げられなければ死というわけだ。

 もちろん現実化したお化けから逃げるのは難しい。普通は学校から外へは逃がしてくれない。

 追いかけ回し、さんざん怖がらせてから殺す。それが怪談の定番だった。

 今は二十三時五十分。学校に着いたらメールを送る。

 自分や一緒にいる人も含め、全員に送る。自分にわざわざ送るのは、受信メール全てを時系列で並べるほうがわかりやすいからだ。

 俺と彼女は制服で来ている。学校の肝試しは制服で。それが雰囲気が出ていい。

 他の学校の連中からもメールがぞくぞく来る。全員元気なメッセージや写真を添付している。わくわくするなあ。いよいよだ。

 他の学校もみんな男女の二人組。恋人同士だった。

 夜の学校で恋人と二人きりになれる。そういう目的もあった。俺は少し怖そうにふるえている彼女の肩を抱き寄せ安心させる。

 零時になった。

 さあ開始だ。七七四十八不思議。これから一つ目の七不思議を確認しにいく。

 俺たちは二人とも懐中電灯を持って、廊下を照らしながら歩いていく。もちろん電池は新品を使用している。途中で切れることはない。

 夜の学校は思ったよりも暗い。懐中電灯で照らした程度では歩きにくいな。

 いざとなったら走れるだろうが走りにくそうだ。

 まずは理科室に向かう。

 動く人体模型。身体の半分が裸でもう半分は皮膚がなく、内臓が描かれている奴だ。

 こいつが夜に動き出す。自分の足りない皮を探してうろつく。

 もし襲われたら身体の半分の皮をはがれて殺されてしまう。そんなのはごめんだった。

 どの七不思議も襲われれば殺されるのだが、その殺し方はそれぞれ異なる。

 なるべく襲われたくない奴から先に確認する。

 どの七不思議が現実化するかはわからない。しかしこういうのはたいてい最後の一つと相場が決まっている。

 だからなるべくましな殺し方か、対処が簡単なものをあとに回す。

 なるべく遭いたくない奴。一番はこの人体模型だった。

 理科室につく。その扉にそっと手をかける。

 ゆっくり開く。中を懐中電灯で照らす。

 異常はない。

 中へ入る。わずかな足音もすごく怖く思えるから不思議だ。

 人体模型があった。

 ふう。なんともない。

 彼女もほっと息をついた。

 つないでいる手がふるえていた。俺は優しく声をかけて安心させる。

 夜の学校で見ると、人体模型は気持ち悪いな。

 俺は人体模型と肩を組んで、彼女に写真を撮ってもらった。

 探しはじめの時刻から十五分を過ぎたら互いにメールを送りあう。あまり早く送ると七不思議をいざ確認しようという一番緊張しているときに、いきなり携帯が鳴ってすごくびびるからだ。

 そろそろいいかな。彼女に送信を頼む。

 俺の携帯に送られてきた。他の人へも送られているだろう。

 他の人からもぞくぞくメールが届く。彼女からのも含め合計七つ。まずは全員無事に済んだようだ。

 廊下に出て他の学校の人たちとメールをしあう。電話は緊急時以外しないことになっている。逆に言えば、電話があれば何かが起こったことになる。

 みんなメールでけっこう怖かったと書いている。

 俺も怖かった。実際には何もないとわかっていても、もしかしたら現実化するかもしれない。だから怖い。非現実だとわかっているものが現実化する可能性を持っているから怖く思える。

 ぞくぞくする。怖いけれど楽しい。これはたっぷり楽しめそうだ。

 他の学校の人たちとメールをして時間を潰し、零時三十分になる。

 俺たちは立ち上がり、次の七不思議を確認に向かう。

 三十分ごとに一つだけ。二つ以上確認したら失敗する。それが決まりだ。

 そうなるとみんながっかりする。せっかく来たのに肝試しが終わってしまう。

 だから時間をきっちり守る。

 次の七不思議を探すのに三十分は多すぎる。だからのんびり行く。

 彼女と手をつなぎ、無言で歩く。彼女の手がふるえているのがわかる。怖がっているんだなあ。かわいい。

 次の七不思議は保健室だ。ベッドの下に、保健の先生の霊がいるという。

 この先生は女で、具合が悪くて寝ている生徒にいたずらしようとした。メスをちらつかせて脅したそうだ。

 でもその生徒が驚いて振り払ったときに、そのメスで先生の目が切れてしまう。

 目が見えない先生は、怒ってメスを振り回す。

 生徒はおびえて逃げられない。その生徒めがけて何度もメスを振り下ろす。

 生徒は滅多刺しにされて死んでしまう。それでもあきたらず、死んだあともえんえん刺し続ける。

 最後は自分でのどをかき切って自殺する。刺し足りない霊が、ベッドで寝ている生徒を襲って滅多刺しにして殺してしまうという。

 彼女が俺の腕にしがみついてくる。俺は大丈夫だよと声をかける。

 ベッドの下を照らす。何もない。先生の霊なんていやしない。

 俺はベッドのシーツを整えてから写真を撮る。これで二つ確認し終えた。

 そろそろ時間だ。他の人からのメールが来る。俺も他の人たちへメールを送る。

 七通のメールと添付画像がそろう。これで全員二つ目をクリアだ。

 よその学校もそれぞれの七不思議を写真に撮ってくる。もちろんその中に心霊写真みたいな妖しいものはない。

 どこでも七不思議は大体同じだ。うちのように人体模型を撮り送ってきた人もいる。

 それらをながめて楽しむ余裕もある。会ったことはないけれどメールのやりとりも楽しいものだ。

 みんなで一緒に、恋人同士で組になってお化け屋敷を回っているような感じだ。怖くて楽しい時間。これもまた青春のいい思い出になるだろう。

 時間だ。次へ行こう。三十分ごとというのが少しだるいな。でも一気に回ったらすぐ終わってしまう。これぐらいのほうが楽しめるのかもしれない。

 三つ目は十三階段だ。

 十二段しかない階段に十三段目がある。もしその段を踏んでしまったら振り返ってはいけない。

 そこにはこの階段から滑り落ちて死んだ生徒の霊がいる。

 逃げようとして上を見る。すると今度はそこに霊がいるのだ。霊に突き落とされて殺される。

 もし十三階段を踏んでしまったら、振り返らずに後ろ向きに下りていくこと。すると霊も同じように一段ずつ下りていく。最後まで振り返らずに下りきったら霊は階段から押し出されて消えてしまう。

 俺も彼女も交互に階段を上って下りる。十二段しかない。

 写真を撮って、送信して、受信する。メールでわいわい騒ぐ。みんな慣れてリラックスしている様子がわかる。

 四つ目。音楽室で誰もいないのに弾かれるピアノ。

 このピアノを弾いていた女生徒が、男子生徒のいたずらで鍵盤のふたを閉じられてしまう。

 てっきり手を引くと思っていたら、よけられず挟まれてしまう。それどころか、指が切断されてしまった。

 以来夜になると、閉じたふたの下でちぎれた指がピアノを弾いているそうだ。

 音が聞こえてもふたを開けてはいけない。開けるとそこには何もない。

 鍵盤を叩いてみる。すると死ぬまで演奏をしないといけなくなる。

 演奏が途切れるとふたが急に閉じる。手を挟まれてしまう。そのふたはどうしても開かず、手を捕らえたままだ。

 ふたの下で指がむしゃむしゃ食われてしまう。食われながら徐々にひきずりこまれ、最後には全身を食らい尽くされ飲み込まれてしまう。

 車のドアじゃあるまいし、挟まれて指が切断されるものだろうか。

 ピアノのふたを開けてみる。何もない。

 鍵盤をひとつ指で押して引く。ポロンと大きな音が、静寂の音楽室に鳴り響く。

 そのあとは何も起こらない。彼女と顔を見合わせ安堵する。

 写真を撮って送信。ここも終了だ。

 五つ目。トイレの花子さん。

 学校の七不思議にはどこもこれが定番としてある。おそらく一番有名な話だからだろう。

 細かいことは学校で異なる。この学校ではこうなっている。

 夜中、女子トイレの個室が一つだけ閉まっている。それを見たら立ち去ってはいけない。

 立ち去ると、トイレの花子さんが個室から出てきて捕まえられ頭からかじられる。全部食べられトイレで出されて流されてしまう。

 花子さんのいる個室のドアをノックする。これは何回でもよいが、普通は一回だけだ。

 すると花子さんがノックを返す。この回数が重要だ。

 花子さんは一回から三回のノックを返す。その倍の回数のノックを返さないといけない。

 回数を間違えると花子さんが個室から出てきて食べられてしまう。

 回数をちょうど倍返すと、また花子さんがノックする。

 そのやりとりを何度も続ける。

 もし花子さんが四回ノックをしたときは、倍の八回ではなく九回返さないといけない。

 八回返したら間違いとして食われてしまう。

 九回返したら、四に九でシク。花子さんはシクシク泣いて消えてしまう。

 個室のトイレのドアが開く。そこには誰もいない。

 花子さんが出るという女子トイレに行く。俺はさすがに入りたくない。彼女に中を見てきてもらう。

 電灯をつけてはいけない決まりなので、懐中電灯で照らしながら見てきてもらう。彼女はすぐに戻ってきて首を左右にふる。

 いなかったらしい。彼女に撮ってきた写真を見せてもらう。トイレのドアは全部開いていた。

 六つ目。美術室の胸像。

 美術室にあるデッサン用の白い胸像。

 あれが夜中に見るとにやりと笑い、人を襲う。

 胸像の首だけが飛び上がり、地面を転がりまわりながら追いかけてくる。

 襲われた人は首にかみつかれ引きちぎられる。開いた傷口に胸像の首がくっついて身体を乗っ取る。

 身体を奪った胸像は転がる犠牲者の首を美術室の胸像の胸に乗せる。するとその首が新たな胸像となり、次の犠牲者が来るのを待ちかまえてすごす。

 身体を奪った胸像は何食わぬ顔でとりついた本人になりすましその後を生きる。

 美術室に着く。

 胸像を探し、かけられていた布を取る。胸像はにこりともしない。

 持ち上げてみる。重い。もちろん動き出したりしない。決められた場所に置く。

 写真を撮る。これで残りは一つだけだ。

 最後の一つ。七つ目の七不思議。

 もし現実化するとしたら、この七つ目だ。メールでも、他の学校のみんなが期待と恐怖に興奮しているのが伝わってくる。

 彼女に怖いか聞く。彼女は目を瞑ってぎゅっと腕にしがみついてくる。

 大丈夫だ。俺がついてるから。そう言うと、彼女は少し安心した表情を見せた。

 さあ行こう。最後の七不思議。

 きっと大丈夫さ。七七四十八不思議なんてただのでたらめだ。

 もし本当だとしても確率七分の一。よほど運が悪くないと当たりはしない。

 七つ目。図書室の少女。

 夜中の図書室で本を読んでいる女生徒がいる。うつむいて、熱心に本を読みふけっている。

 その子がうつむいたまま声をかけてくる。

 私、若い?

 顔は見えないけれど、若い女生徒だ。そこで若いと答えてはいけない。

 若いと答えると、私、もう歳よと女生徒が言う。顔をあげる。そこには老女の顔がある。

 その顔が若返っていく。かわりに自分の顔が老けていく。老人になり、老衰で死ぬ。女生徒は若さを吸い取る霊なのだ。

 どう対処するか。あらかじめ本を一冊用意し、開いておく。女生徒の霊が話かけてきても知らんぷりでページをめくる。

 話しかけてくるたびページをめくる。霊は何度も話しかけてくるのでそのたびに必ずページをめくり、本に集中しているふりをする。

 やがて相手にされていないことを悟ると霊は消える。これが撃退法だ。

 俺は棚から一冊の本を取り出し開く。それを手に持ち、彼女に懐中電灯で照らしてもらいながら図書室の中を歩きまわる。

 どのイスにも女生徒の霊は座っていない。どのテーブルにも広げられた本は載っていない。

 写真を撮る。これで七不思議すべての確認が終わった。

 無事にすんだ。彼女もほっとしたようだ。今日はじめて弱々しく笑顔を見せてくれる。

 写真を添付したメールを送信する。

 俺のところは大丈夫だった。他はどうだろう。

 もちろん無事であってほしい。でも不謹慎だがやはりどこかで何かが起こっているかもしれないと期待する。

 他の学校の人たちからもメールが届く。五通。俺のとあわせて六通がそろう。

 あと一通。なかなか来ない。もしかして。もしかしたら。

 ちょっと期待でドキドキしてきた。まだかまだかと携帯を食い入るように見つめ、じっと待つ。

 しかしそんな期待を裏切るように最後の一通が届いた。

 メールの内容を読む。単に自分が最後だから、わざと遅らせてみんなをはらはらさせたかったらしい。

「なんだよ。馬鹿馬鹿しい。どうせそんなことだと思ったよ。ああ。でも待ってる間はすげえドキドキしたなあ。楽しかった。なあ」

 俺は彼女を振り返る。そこには、たしかにいたはずの彼女はいなかった。

 え?

「おい。何の冗談だよ。隠れてないで出て来いよ」

 俺は大きな声で呼びかける。返事もなければ気配もない。

 なんだ。いったい。どこに隠れたんだ。

 たしかに最後のメールを待つ間、すごく携帯に集中していた。彼女がこっそり立ち去っても気づけなかったかもしれない。

 でもそんな。俺を驚かそうっていうのか。あのおとなしい彼女が。今日ずっとぶるぶるふるえて怖がっていた彼女が。

 今日ずっと、一言もしゃべっていなかった彼女が。

 ぞくりとする。背筋に悪寒が走る。

 彼女は普段からそう話をしない。いつも俺が一方的にべらべら話すだけだ。

 でも少しは話す。今日はずっとふるえて怖がっていたから、声もでないほど怖がっているだけだと思っていた。

 今思い返せば、確かに不自然なくらい何も話さなかった。一言も話さないなんて不自然すぎる。

 俺が話しかけても、しがみついてきたりうなずいたり首を横にふったり、身振りだけで返事していた。

 普段と様子が違う。どういうことだ。

 彼女が俺を驚かそうとしている。そうとしか考えられない。

 普段の彼女がこんないたずらをするとは思えないが、ちょっとたちの悪いいたずらだ。彼女がそれを隠していることで、何も話さなかったという不自然な態度に表れてしまったのだろう。

 彼女は隠し事が下手なんだ。いつもの彼女なら。

「おい。なあ。もういいよ。すごいびびった。ははは。してやられたなあ。ははは。な。もういいから。出てきてくれよ」

 返事がない。気配がない。もうこの図書室にはいないのか。

 外へ出る。廊下で待っているかと思ったが、そこにもいなかった。

 彼女に電話をしてみる。出ない。コール音だけがえんえん鳴り響く。

「なあ。おい。しゃれにならないぞ。出て来いよ。怒ってないからさ」

 あんなにふるえていたのが演技だったのか?

 いや違う。彼女はかなり恐がりだ。今日だってなんとか説得してようやく連れてこれたんだ。

 そんな恐がりの彼女が、俺をビビらせるためだけに、この暗い校舎で一人になれるものだろうか。

 ぞっとする。考えないようにしていたことをどうしても考えてしまう。

 あれは本当に彼女だったのだろうか。

 ずっと話さなかった。一言も話さなかった。それはすごく不自然だった。

 もしあれが、彼女でなかったら。

 携帯を見る。

 彼女が送ってきたメール。彼女が撮った写真。

 何もおかしいところはない。たしかに彼女の携帯のメールアドレスから送られてきている。

 あれが彼女でなくお化けが化けたものだったら。そう考えると怖かった。

 それ以上に怖いのが、彼女がすでにお化けに襲われて殺されていることだった。

 七不思議が現実化して人を襲う。

 それが七七四十八不思議。

 馬鹿な。もし仮に、それが現実にあるとしてもありえない。

 七不思議を撮った写真つきメールは四十九通。自分が送るメールも自分にも出している。

 それに添付された四十九枚の写真。全部で四十九。七つの学校の七不思議全てが確認されている。

 全てを確認したら、現実化しない。確認できなかった一つが現実化する。それが決まりのはずだ。

 全部確認した。だから現実化するはずがない。七不思議なんて全部作り話だ。実在するわけがない。

 彼女に電話する。出ない。メールする。返事がない。

 なぜだ。なぜだ。くそ。くそ。

 無事なのか。彼女は無事なのか。

 彼女が俺を脅かすために隠れているならそれでもいいさ。彼女が無事ならそれでいい。

 でも俺と一緒にいた彼女が彼女でないなら。お化けが化けていたのなら。彼女はすでにこの世にいない?

 そんな馬鹿な。さっきまでは、携帯でメールしていたじゃないか。

 懐中電灯で照らしながら、廊下を走りまわる。暗くて早くは走れない。でもなるべく急いで、たどった道を戻る。

 行ったところを全部見てまわる。廊下とか、入っていない教室も見てまわる。

 どこにもいない。どこへ行ったんだ。どこにいるんだ。あああ。どうしたらいいんだ。

 電話が鳴る。心臓が止まるかと思うほど驚いた。

 携帯に表示されている名前は彼女だ。ほっとする。

 でももし、これが彼女でなかったら?

 俺と一緒にいた彼女が、すでにお化けに食われて化けられた何かだったら?

 そう思うと出られなかった。

 電話がしつこく鳴り響く。

 結局、出ないわけにはいかない。俺は意を決して電話のボタンを押した。

「あははは。ごめんね。怖かった?」

 彼女の声だ。本物の彼女の声だ。

「あは。あはは。ご、ごめん。ちょっと脅かそうと思って。ぷぷ。メールの文章。すごく必死だったね。くく」

 彼女は電話の向こうで大笑いしている。俺は一気に力が抜けた。

「馬鹿。すごく心配したんだぞ。お前に何かあったら、俺」

「ごめんごめん。ちょっといたずらが過ぎたね。ねえ。出ておいでよ。帰ろ。電話じゃなくて直接ちゃんと謝るからさ」

「ああ。今どこにいるんだ」

「もう外にいるよ。窓から見えない? 私たちが忍び込んだ鍵の開いてる窓の外」

 廊下から窓の外を見る。俺は今二階にいる。むこうのほうを見ると、暗くてよくわからないけれど、たしかに彼女らしき人影がいる。

「わかった。すぐ行くから待っていろ」

 俺は電話を切り、足早に彼女の元へ向かう。

 まったく。心配させて。すごく怖かったのに。

 無口な彼女にしてはえらく笑っていたな。そんなにいたずらが上手くいっておもしろかったのか。

 まあいい。普段あんなに笑うことのない彼女が大笑いしてくれたんだ。それだけで苦労のかいがあったってもんだ。

 一階の、窓のところに着く。彼女が外にいるのが見える。俺は開いてる窓の枠に足をかけ、ひょいと外へ飛び出した。

 着地すると、少し離れたところにいる彼女が笑顔で言った。

「三時五十九分。ぎりぎり間に合ったね」

 何が?

 顔を上げた瞬間、激しい衝撃が頭を襲った。

 意識を失うその瞬間、笑っていた彼女が最後に言った意味を考えた。

 七七四十八不思議。もしも七不思議が現実化しても、四時まで逃げきれば助かる。

 彼女はやっぱり彼女ではなかったのだ。俺をぎりぎりまで泳がせてあわてふためく様をじっくり楽しんでから、ここへ呼び出し殺したお化けだったのだ。

 彼女が彼女でないならいったいいつ、彼女はお化けと入れ替わったのか。お化けに食われ、化けられてしまったのか。

 頭に激しい痛み。これはきっと死ぬ。頭からかじるのはどの七不思議だったっけ。

 思い出す。

 トイレの花子さん。

 女子トイレに入りたくないからと、彼女を一人で行かせた。

 出てきた彼女はいなかったというように首を横にふった。

 でも実はいたのなら。

 彼女はノックの回数を間違えて、花子さんに食われてしまったのだ。花子さんは彼女に化けて、トイレから出てきたのだ。

 だから彼女が撮った写真は、トイレのドアが全部開いていた。

 本当は一つ閉まっていたんだ。彼女が確認しに行ったときは、閉まっていたんだ。

 彼女を一人で行かせるんじゃなかった。俺が行くべきだった。

 そうすれば、彼女は死なずに済んだのに。俺も死なずに済んだのに。

 もう遅い。後悔してもどうにもならない。

 俺が死ぬ最後の瞬間に見た彼女の笑顔。

 あれはたしかに、彼女に化けた花子さんにふさわしい、醜悪極まり無い顔だった。

(完)

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2011年10月19日

人生テレビ

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 天国では下界の人の人生をテレビで見ることができる。天国で唯一の娯楽であり喜怒哀楽だった。

 俺は仕事が辛すぎて、それが原因で死んだ。

 残業ばかりで休日もほとんど取らせてもらえない。誰もがいらいらして、上司は俺に怒鳴り散らし、こなしきれない仕事を押しつけ、それが出来ないとまた怒鳴る。

 疲れきり、何も考えられずにふらふらと歩いていて、赤信号に気づかず踏み出し車にはねられた。

 人は死後、生前の罪に応じて地獄で罰を受ける。俺の罪状は重かった。自分の命を守りきれなかったことは自分を殺したことになる。自殺と同じく殺人扱いとなる。

 まして車にはねられたことでそのドライバーの人生も壊してしまった。俺は数百年にも及ぶ地獄の責め苦を味わわされることになった。

 しかし救いはある。誰でも罪に応じた地獄の責め苦を受けたあとは、きれいな魂になり天国へ行ける。そこで未来永劫安楽の日々を送れる。

 ちなみに、本当の悪意を持って罪を犯した犯罪者の罰は俺とは比べものにならない。己のために人を殺した者は数億年ほど罰を受ける。一秒も耐えきれない地獄の責め苦をそれだけ受けるのも辛ければ、いつまでたっても天国へ行けないのも辛いものだ。

 俺も耐えられない苦痛を与えられたが、刑期を終えたらその苦しみの記憶も消える。天国ではあらゆる苦痛から解放される。何を思い出そうとその記憶に苦しめられることはない。

 天国は何もないところだ。あらゆる苦痛も欲望もない。何も欲しいとは思わず何もしたいと思わない。何も足りなくないし何も困らない。

 天国ではみな裸だ。しかし性欲も何もないので誰の裸を見ても何とも思わない。いやらしいどころかきれいだとも醜いとも思わない。

 天国はすべてが足りているし、それ以上欲しいとも思わない。だから人はみな感情を持たない。喜怒哀楽がまるでない。

 話をすることもあるししないこともある。話をしたいとは思わないししたくないとも思わない。寂しいとも思わないし暇だとも思わない。

 みんな裸でぶらぶらしている。疲れることもないし寝ることもない。何もせずに何も思わず未来永劫ただそこにいる。

 人は死んだときの年齢で、五体満足な姿でいる。だから俺は事故死だったが身体はどこも欠けていない。普通に歩いて普通に話をできる。

 雲みたいな白っぽいふわふわした床。汚れることもなく寝そべることもできる。なめることすらできる。もちろん味はしない。味や匂いはわからない。

 太陽もない。空は白っぽい灰色だ。暗くはないがまぶしくもない。

 何もない。人はまばらに散っている。ずっと向こうまで何もなく、どこまでも遠くへ続いている。

 人はぶらぶらと歩き、ときどき風が吹くように人と話をし、風が止むように話を終える。それ以外に何もしない。することもないししたいとも思わない。

 地獄の責め苦は覚えているがその苦痛は覚えていない。思い出しても何とも思わない。

 生前の記憶はあるが思い出しても何も感じない。喜怒哀楽がない。何とも思わない。

 ぶらぶらと歩いた。時間の感覚が無いからどれだけさまよったのかわからない。おそらく何十年と歩いたのだろうがまるでわからない。疲れることなく永遠に歩き続けることができる。

 人が数人集まっている。騒いでいる。人はまばらにいるものだ。ときどき二人で話すことはある。でもあんなに何人も集まることはない。

 それに、あんなに騒いでいるのは天国へ来てはじめて聞く。喜怒哀楽のない天国の住人が騒ぐなんてありえない。

 興味や好奇心という感情はない。俺はなんとなくそっちへ向かった。

 数人の男女がいる。年寄りが多い。みんな立ったまま、空中に浮いた箱みたいなものを見ている。

 テレビに似ている。そう。テレビだ。画面に何か映っている。みんなそれを食い入るように見つめ、声を出して騒いでいる。

「何を見ているのですか」

 俺は一人の老人に尋ねる。天国ではみんな、感情のこもらない抑揚のない話し方をする。俺もいつものようにそう話しかけた。

「おう、兄ちゃん。こっち来てみな。一緒に観なよ。ほら」

 老人はにこにこしながら元気な声で答える。まるで生きている人間のようだ。抑揚のある声。感情のこもった笑顔。天国でこんな人間ははじめて見た。

 俺は理解できず、とまどいながら近づいてテレビのようなものを観る。そこには少女が映っていた。

「これな、わしらは人生テレビって呼んでるんだ。たぶん他にもあると思うけど、見たことないか?」

 俺は首を横に振る。はじめて見る。

「そうか。じゃあ観ていきなよ。おもしろいよ」

 おもしろい?

 喜怒哀楽の無い、感情の無い天国の住人が、何を観たらおもしろいと思うのだろうか。

「今観てるのはこの女の子の人生だよ。かわいい子だろ。ほらこうして、常にこの子の表情が見える角度で映るんだ」

 画面の女の子はたしかにかわいい。まだ子供だ。笑顔がまぶしい。画面から女の子の声や周りの音が聞こえてくる。

「たぶん、今生きている誰かの人生が映っているんだろう。わしはもう何人も、産まれたときから最後まで観ている。最後まで観たら、また誰か別の子の人生が最初から映るんだ」

 生きている人の人生が映る。生きている、か。感情がないからなつかしいとも思わないが、俺にも生きていたことはあった。

「ま、観ていきなよ。どうせ時間はたっぷりあるんだ。楽しんでいきな」

 楽しむ。そんなことがこの天国でありえるのか。でもこの老人も他の人もみんなテレビを観ながら騒いでいる。楽しんでいるようだ。俺は観たいとも思わないが、なんとなく観てみることにした。

 テレビに映る世界は俺が生きていたころとはまるで別世界だった。地獄と天国で過ごした何百年で、科学がはるかに進歩していた。

 でも人は変わらない。あいかわらず同じようなことで悩み苦労している。人が人と接することで起こるあらゆる感情の衝突がめまぐるしく展開される。

 感情を失って久しい。地獄では苦痛だけだ。天国は何もない。だからテレビに映る感情はまるで洪水のようだ。何も起こらない天国と違い、あまりにも急速にあらゆる出来事が起こった。

 テレビを観ている人たちはその出来事のたびに一喜一憂していた。

 テレビに映る女の子が笑うたびに一緒になって笑った。女の子が泣くたびに一緒になって泣いた。女の子が努力しているときは頑張れと励ました。女の子が嫌なことを我慢しているときはかわりに怒った。

 みんな女の子の味方だった。その人生を見守っていた。応援していた。

 女の子がどれだけへまをしてもあきれなかった。女の子が間違ったことをしてしまうときは駄目だ、止めろと必死に止めて、でも怒らなかった。

 女の子が友達にそそのかされて万引きしてしまったときも止めろと声を限りに叫んだ。してしまったときにはみな落胆し、それでも女の子を責めなかった。

 女の子がその後何日も悪いことをしたことに悩んでいるとき、それを温かく見守った。とうとう両親に泣きながら話して一緒に万引きした店に謝りに行ったときは拍手喝采し、女の子の勇気をほめた。

 女の子がそのせいで、そそのかした友達からいじめられるようになったときは怒りに燃えた。辛くて泣いている毎日を見て一緒に泣いた。

 負けるな。くじけるな。正しいことをした。胸を張れ。

 みんな一生懸命励ました。天国では疲れることものどがかれることもない。みんな顔を真っ赤にし、声をふりしぼって女の子を励まし続けた。

 女の子は両親とも相談し、その友達と辛抱強く話をした結果、なんとか仲直りできた。その友達は、いろいろひどいことをしたことを泣きながら謝ってくれた。

 俺は安堵した。よかったと心から思った。女の子が負けずに戦い続けた強さをたたえた。

 なんだろう。俺はいつのまに。こんな。

 泣いていた。

 俺はまわりの老人たちと一緒に泣いていた。

 俺は気づかないうちに、女の子を応援していた。はらはらした。声を出して励ました。

 俺はいつのまにか、もう無いはずの感情の赴くままに、女の子のために泣き、笑い、喜んでいた。

 こんな感情が。感情が再び味わえるなんて。忘れていた。身体がふるえるほどの感情。芯から熱くなる感情。まさか再び取り戻せるなんて。永遠に失われていたはずなのに。

 辛いこと。悲しいこと。嫌なこと。それすらも大事な感情で、かみしめ、味わい、感じる価値のあるものだと、生きているうちは気づかなかった。失ってはじめて、すべての感情がとても大事ですばらしいものだと知った。

 最初に話した老人が、俺が泣いたのを見て一緒に泣いてくれた。感情のすばらしさを取り戻した俺に祝いの言葉をかけてくれた。

 俺はみんなと一緒にテレビを眺めた。女の子のすばらしい、一度きりの人生を見守った。

 女の子が初恋の人に告白できずに迷っているとき励ました。頑張れ。勇気を出せ。

 とうとう告白したときその勇気をたたえた。

 あっさりふられ、夕飯も食べられずに夜通し泣いたとき、一緒にずっと泣いた。

 受験勉強でふらふらになっているとき、無理しすぎだと心配した。過労で倒れたり、俺のようにふらふらと事故に遭ったりはしないかと本気で心配した。

 それでも頑張っているので頑張れと励ますことしかできなかった。

 俺はこのとき、自分が頑張れという言葉をよく使っていることに気づいた。他の人も同じだった。みんな励ますときは頑張れと言う。

 頑張っている人間にさらに頑張れと言う。それは逆に負担になり追いつめることにもなる。生きているころはそう言われていた。

 でも違う。こうして天国で応援してみてはじめてわかる。

 頑張れとは他に言いようがなく、心から出る言葉なのだ。

 応援している、見守っている、負けるな。言い方は問題ではない。心底応援している気持ちを表す言葉が頑張れなのだ。

 見ているだけで何もしてあげられない。力になれない。でも支えたい。

 だから頑張れなんだ。他人の力は与えられない。自分の力しか出せない。だから応援している人の分まで自分の中から力を出すしかない。それが頑張れなんだ。

 人は応援されると気力がわく。力がわく。それが頑張れなんだ。励まされることで自分の中から他人の力をわき出させる。それが頑張れなんだ。

 俺もきっと。こうして誰かに見守られていたんだ。応援されていたんだ。

 天国にいる、自分とまるで関係ない赤の他人が、ずっと本気で応援し続けていてくれたんだ。俺は一人じゃなかったんだ。

 辛いとき、見守っていてくれたんだ。悲しいとき、一緒に泣いてくれたんだ。うれしいとき、一緒に笑ってくれたんだ。悪いことをするとき、本気で止めてくれたんだ。

 お天道様が見守っているってこういうことなのか。見るだけでなく、応援してくれていたのか。

 俺が仕事でぼろぼろになったとき、本気で心配してくれたんだ。心を痛めて見続けてくれたんだ。

 そしてきっと。

 きっと。

 俺が死んだとき、泣いてくれたんだ。

 たとえどんなに道を踏み外そうとも、悪いことをしても、見守っている人がいる。見捨てないでいてくれる。

 悪いことをしてしまいそうになるたび、何度でもあきらめずに止めろと叫んでくれる人がいる。生きている誰もが見捨てようとも見捨てないでいてくれる。

 そしてもし、どれだけ悪いことをしてしまってもそれを謝り償うときにその勇気をたたえてくれる。ほめてくれる。そしてその後の辛い償いの人生をずっと応援し続けてくれる。

 どんなに天涯孤独な人でも誰かが見ていてくれる。そして最後にひとりぼっちで死ぬとしても、だれかがその最後を看取り泣いてくれる。

 それが天国にいる理由なんだ。天国は、生きている人すべてを応援するためにあるんだ。

 人は天国でさまよいながら、その人が見守るべき人生が映るテレビへたどり着く。

 その後は何度も何人も、そのテレビに映る人生を応援し続ける。

 テレビに映る女の子はもうすっかり大人になって結婚していた。

 結婚式の幸せな笑顔を見て、俺は泣きながら祝福の拍手を送った。

(完)

posted by 二角レンチ at 20:13| 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月12日

今日は一人で中出し当番 官能小説集2

今日は一人で中出し当番 官能小説集2

18禁です。

今日は一人で中出し当番。

いつもは二人なのに一人が早退。

クラスの男子全員の相手を、私一人でするんですか?

表題作を含む全二十編の官能小説。

挿絵はありませんので外出先でも人目を気にせず読めます。

収録されている作品はすべて原作利用権付です。

漫画、小説、ゲーム、動画などの原作として使えます。

pdf 199p

収録作品

  • 今日は一人で中出し当番
  • バニーさんと飲みながら
  • アダルトグッズ開発の舌調べ
  • お婿さんは年下で十八歳
  • スクール水着の先輩に抱かれる
  • パンツ見られてオナニーされる
  • レズ姉妹にバイブ扱いされる
  • 男の子をナンパに成功した
  • フェラを見ながら手コキだけ
  • 会社で女上司に犯される
  • 水泳部の子に集団ぶっかけ
  • 混浴で女の子二人に左右から
  • 兄の婚約者に脅されて
  • 顔射ルーレット
  • 後背位で連続中出し
  • 姉に狙われる弟
  • 後輩の上手さに翻弄されて
  • 姉が妹に手を出すとき
  • 男の子を囲う女の子たち
  • 女の子をペットにする時代

体験版

18禁作品のためこのブログでは体験版を提供できません。

お手数ですが以下の委託販売先でご覧ください。

製品版の購入

製品版は以下のダウンロード販売サイトで委託販売しています。


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2011年10月04日

人生テレビ 原作マガジン3

人生テレビ 原作マガジン3

天国にある人生テレビ。

天国へ行った人たちはみな、そのテレビを通じて生きている人の人生を見守り、励まし、泣いてくれる。

誰の人生だって応援されている。

主人公は天国へ来て、自分の人生が孤独でみじめな無駄死にではなかったことを知る。

表題作を含む全十二編の挿絵付小説。

収録されている作品はすべて原作利用権付です。

漫画、小説、ゲーム、動画などの原作として使えます。

ホラー、感動、ギャグ、シリアス。さまざまな作品が収録されています。

pdf 143p

収録作品

人生テレビ
天国にある人生テレビ。誰の人生だって応援されている。
七七四十八不思議
七つの学校の七不思議。同時に確認していくと、一つが現実化し人を襲う。
ろくろ首の子育て
頭は子供。体は親。ろくろ首の子育ては大変。
トイレに出るんだって
ドンドンドン。トイレ出ろ!
神殺しは救えない
神はなぜ、人の運命を操作できるのに不幸にするのか。
寄生臓器
臓器を食らい臓器に擬態する寄生虫。
多数派殺人論
多数派は正しい。正義だ。だから少数派を殺す。
死刑比較殺人論
死刑にならない。ならば殺人者の命は被害者の命より重い。
未注意殺人論
人を殺してはいけないと、口に出して注意されたことがありますか。
不殺殺人論
戦場の中で、それでも命乞いされたら殺さない。それは正しいはずだ。
報復刑
死刑のかわりに遺族が報復する刑。それを利用し死刑を免れようとする殺人者。
父親アレルギー
子供が父親アレルギーだと判明。そのため引き離される父と子の悲しみ。
講座・制作
原作づくりのためのノウハウも収録。

体験版

体験版には「人生テレビ」「七七四十八不思議」を収録しています。

体験版を見る(pdf 2.7MB)

製品版の購入

製品版は以下のダウンロード販売サイトで委託販売しています。


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posted by 二角レンチ at 21:16| 一般作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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